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2005年3月 7日 (月)

共感覚者の驚くべき日常

共感覚者の驚くべき日常―形を味わう人、色を聴く人を読んだ。共感覚という現象(たとえば酸っぱさを感じるとき、同時に手のひらにとがった触覚を感じ、甘さを感じるときに丸み触覚を感じるなど)について、それが脳のどのような部位で生じ、その時脳ではどのような物理的現象が起こっているのか、ということを追求していったある医者の半生を自伝的に書き記した本。

共感覚という現象自体が非常に興味深いが、それを解明するためにどのような手順を踏んでいったか、という「科学の実践」を克明に追った文章として大変優れている。ぜひ学生に読んで欲しいと思った。

この本のひとつの論点は、機械などの検査結果のみを信用して、そうした結果にあらわれない患者の主観的感覚を無視することがいかに問題かということにある。そして、ほとんどの医者がそういう傾向に陥っていると批判する。その上で、機械などによる検査に頼らずとも、患者の報告と対象群のデータとの比較だけを材料にして、患者の主観的報告内容を客観的に検証することが可能なのだ、ということを示した点でも大変興味深い。

 

 

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