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2005年4月27日 (水)

寄生獣

 大方の人の反応も僕と同じだろうが、特にスプラッタ系のホラーの苦手な僕は、第一印象で敬遠していた。岩明がこの「寄生獣」の次に書いた「七夕の国」はなかなかのできだったし、「寄生獣」が彼の出世作であることは間違いなかったので、とうとう読んでみることにした。

 結論から書くと、確かにグロいものを全く受け付けられない人にはお勧めできないが、多少なら我慢できるという人にはぜひ読んでみて欲しい。
 
 テーマのひとつは、人間以外の高等知能の生物から、人を見るということ。そうした視点から見ると、僕らがいかに同じ生物としての狭い共感の上に文化を築き上げているかを再確認できると思う。自分の認識の基盤のさらなる相対化のために、こうした思考実験は非常に重要だと思うのだが、こうした内容をテーマにする作品は意外に少ないように思う。たとえば手塚治虫のアトムとか? あまり思い浮かばない。それだけ貴重な作品だと思ってよさそうだ。
 
 そうした哲学的なテーマとは別に、あるいはそれと上手にからめつつ、人を愛し迷いつつ敵から逃げ、そして戦う、といった普通のドラマとしてもとても上手にできごとを配置し、適度なスリルと共感をひきこむように上手に描かれている。物語をはったりであまり壮大にせず、ひとりひとりの登場人物の思考を追うことで理解できるようなレベルにまとめていることも好感が持てる。

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