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2005年4月23日 (土)

狂牛病について

 ちとせさん、コメントありがとうございます。狂牛病に関してですが、僕がどうしてアメリカにさっさと譲歩して市場を早く開放すべきだと考えるか、と言うか、その理由に関してです。
 ひとつは、純粋に駆け引きの問題として、アメリカに対してカードを切る必要があるなら、牛肉の市場を譲るくらい、安い妥協だという判断があります。
 確かにアメリカの、自国の国内基準を勝手にグローバルスタンダードとして疑わないような自己中心性はどうかと思います。いまだにマイルやポンドや華氏のような独自の単位を使い続けているのは世界中でアメリカ・イギリスくらいでしょう。何の理想も原則もなく、アメリカにただいつもいつも妥協しているばかりでは、国際的にも尊敬されることはできない、という考えももっともだと思います。正しいと信じることなら、その主張を押し通すべきだとも思います。
 しかしこの点に関しては、僕はアメリカの主張はもっともだとも思うのです。つまり、全国でたった数頭見つかる程度の狂牛病の牛肉をたまたま食べて、人が病気で死ぬ確率などは、他の様々な病気で死ぬ確率などに比べ、ほとんどゼロに近い、というアメリカの主張は十分に科学的であるとも言えます。イギリスみたいに数万頭以上の牛が狂牛病にかかっていたところと同じ基準で考えるのはどうかしてるわけで、そうしたアメリカの判断は、衛生学的/経済学的に言えば正しいと思います。
 ただし「清潔さ」とか「食べられる」という観念は多分に文化的なものです。完全に無菌状態で飼育されたゴキブリから、純粋なアミノ酸だけを取り出したとしましょう。それを、大豆や牛乳由来のアミノ酸と化学的には同じ物質だからといって、同じものとして食べられるか、というと、やっぱり抵抗はあります。それと同じように、狂牛病にかかっている可能性がほんの少しでもあれば、気味が悪い、という感覚だって、文化として尊重すべき、ということも理解できます。
 でもそれは、消費者一人一人が自分自身の文化や価値観によって決めればいいことではないでしょうか。エイズウイルスに汚染された血液製剤を輸入するような話と、これは根本的に違った問題と考えるべきです。アメリカの牛をどうしても食べたくない人は、和牛やオージービーフを買って自分で調理するか、それらを100%使用していると銘打ってあるようなレストランで食べればいいんじゃないでしょうか。
 僕らみたいな貧乏人で、安ければ何でもいい、というような人間には、コンマ000000001の確率で狂牛病にかかる可能性があってもいいから、吉野家の牛丼を食べさせて欲しいわけです。
 この二つの理由から、日本は可能な限り議論を急いで、さっさとアメリカに牛肉の市場を開放すべきだと考えます。いかがでしょうか。

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コメント

そうなんですかー。
なんだか浅はかな知識で反論してしまってすみません。
その程度の確率なのであれば、
かずまさんのおっしゃるとおり、
消費者一人一人の価値判断に任せるべきであるのが、
自由主義国家のあるべき姿だと思います。

しかし、私としては、その可能性がゼロでない限り、
消費者が価値判断できる程度のの意識改革が進むまでは、
今の状況もやむを得ないと思っています。
JAS法とかトレーサビリティとかいろいろシステム整備も進んではいますけど、
これらが実質的に機能するまでは、輸入を再開しても消費者側の混乱を招くだけな気がするんですよね。

消費者自身が判断するのは理想、というよりむしろ当たり前のことなのですが、
まだまだこの国はそういった意味で発展途上にあると感じます。
なので、私は不定期の輸入禁止措置も妥当かなぁと思ってますよ。

それに、私は吉野家の豚丼、結構好きなんですよね、アハハ(笑)

 ちとせさんどうも。僕は狂牛病が大流行していたのに、まだ対策がほとんどはじまっていなかった頃のイギリスに3ヶ月以上滞在していて、この問題には多少敏感になっていました。それにしても最近AERAの記事で読んだんだけれど、アメリカは同じ病気の見つかったカナダからは牛を禁輸しているらしいですね。そういう露骨なダブルスタンダードをやって恥ずかしくないんだろうか、とは僕も思います。
 

 そういう我儘なアメリカや中国とそれぞれバランスのとれた外交をするためにも、味方を増やしていくしかないですね。あと是々非々の姿勢というか、国家をまるごと信用したり否定したりするのは無意味かつ有害であって、とにかくより多くの正しい情報を僕ら一人一人が手に入れて判断するようにする必要があるんでしょう。日本人がそこまで成熟した国民といえるかどうかは、ちょっと難しいですが、教育に期待するしかないですね。
 

 こうした問題がホットだった頃、次のようなTV番組を見ました。それまで日本に牛肉の輸出を行っていたあるアメリカの業者は輸入禁止で苦境に立たされ、政府の政策に反抗してでも、独自の検査体制を整えて、日本と交渉しようとしていました。地方自治体なども動かして。たとえばこういう業者からも単に「アメリカの業者」というだけで輸入をしない、というのは、やっぱり公正な態度とはいえないのではないかとも思います。

政府にそれほど多くを期待しても意味はないのかもしれませんが、僕の理想の政府はこういったものです。すなわち、こうした重要な問題に関して、それぞれの業者が情報をきちんと正しく伝えているか、そのコントロールに特に重点をおくこと。消費者が混乱するのは、生産地表示などが信用できないのではないかと疑ってしまったりするためだとだと思うので。

<国際社会で尊敬されるような位置を占めたい>と考えるのであれば、そうしたシステムを日本が作る、というのもその手段の一つとなるでしょう。

 とはいっても、現在の段階で民主主義的な国家であることを大事にする、という意味では、ちとせさんの言われることは至極もっともですね。
 ちなみに僕は最近すき家の牛丼を食べるようになりました。なかなかのものですよ(笑)。

かずまさん、どうもどうもお久しぶりです。
ここに書いても気づいてもらえるのかしら。。

牛肉、輸入再開するみたいですね。
吉牛ももうすぐ復活ですね(笑)

ちゃんと見てますよー。
せっかくすき家を応援してたんだけどなー(笑)。

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