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2005年5月 9日 (月)

フリーター亡国論

 この本は以前NHKの「フリーター417万人の衝撃」という番組の元ネタとなったUFJ総合研究所のレポートが元になっている。
 その番組は実にひどいもので僕も自分のBBSに文句を書いている。
 どうひどかったか。「フリーターになっている人がみんな正社員として働いていたときと比べることで、社会にとってのフリーターの功罪を考えよう」というような分析を非常に安直な試算をもとに行っているのである。
 たとえばUFJ総合研究所の試算は、フリーターになっている人と正社員になっている人が現在実際に払っている税金を比べることで、「フリーターが正社員でないために、国としての税収がどれだけ減る」ということを述べる。もし仮にフリーターという勤務形態を法律的に抑制して、必ず誰もフルタイムの正社員として採用しなければいけない、ということを行ったら、税収はいったいどれだけ増えるのだろうか。
 フリーターを正社員におきかえたら、彼らの生産性も上がるのか。給料も現在の正社員なみに払われるのか。失業率はかわらないのか。UFJ総合研究所がやるようなかたちで「フリーターがいることで国の税収が減る」という議論をするためには、これらの前提が全て満たされなければいけないのである。いかにその議論がナンセンスかわかるであろう。
 ただこういった本は、そういうナンセンスな分析を見抜くための練習問題としては、大学の授業などで扱う上で役に立つかもしれない。

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コメント

はじめまして。このみたと言います。TBありがとうございました。すべてではないですが、ほとんどの記事を読ませていただきました。フリーターのほかに、サブカル作家や映画やアニメの書評の記事があり、どれもとても面白かったです。たびたび、足を運びたいと思いますので、そのときはよろしくお願いします。

このblog、もともと開いた目的は自分の学生さんに「僕はふだんこんなこと考えて生きてるんだぜ」というのを知ってもらって、何となく親しみもってもらおう、みたいな趣旨でした。そんなわけで、それこそアニメから硬い政治の話まで、とりとめなくいろいろなことを話題にしてるんだけど、そんなに読むところがあった、というのは珍しいですね。僕もときどきそちらおじゃまします。

 どうもはじめまして。TBとコメントを、だいぶ早い時期に頂いていたのですが…未熟者の故の忙しさのため、こんな時期に返信で申し訳ございません。
 HP拝見させていただきました。私も教育学部(先生の勤め先の隣県でした)の社会科を出ましたので、そういった場所で教鞭をとられている方にコメントを頂くと恐れ多くて焦ってしまいます。(大学時代は不出来な学生でしたので、西洋史学の老教授に何度叱られた事か…)日々の勉強不足を突っ込まれているようで、刺激になります。
 それでは、またお邪魔させていただきます。

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