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2005年8月22日 (月)

Before Sunset (ビフォア・サンセット)

この前、前作にあたるBefore Sunrise(恋人までの距離)の感想を書きましたが、こちらも期待以上の素晴らしい内容でした。

ストーリーは前作の9年後の二人の再会を描いています。男の子のほうが前作で描かれた経験を小説にまとめ、パリで行われた販促の公開インタビューの場に彼女があらわれるところからお話ははじまります。飛行機の出発時間までの限られた時間、二人はひたすらしゃべり倒す、そんなお話です

。好きな人とこれが最後の時間で、もう二度と会えないかもしれない。そういう状況のなかで、男性のほうが少しでも一緒にいたくて粘り続ける、というのは、自分自身が恋をしていた頃の記憶を揺さぶられる思いがしますね。日常的なレベルでも、終電の時間を気にしながら女の子としゃべる、というのは誰にでも経験があると思いますが、あの感じがすごくよく出ています。

このリアルさは、役者の演技力もそうですが、この映画の表現の<実験的な手法>にも多くを負っているように感じます。他の方も書かれているように、この作品の時間の流れ方は、100%リアルタイムで上映時間がそのまま作品上の時間、というように作られており、長回しが多用されるだけでなく、カットバックでも音声が連続しており、しかもその間ずっと二人はしゃべり続けているんです。そういう<実験的な手法>なのに前衛的な印象はまったくなく、見事なくらい自然で、二人の気持ちがあまりにリアルに伝わってきて、どきどきします。

あんまりリアルなんで、それこそ一発撮りみたいに見えますが、もちろん実際には、テイクを重ねているんですよね。でも容易に天候や光の状態の変わる屋外で、つなぎのない5時から7時半という時間を撮るのは相当大変だったと思います。ハリウッド映画としては異例な、15日間、それも当該する時間帯だけの撮影でこれが完成されたのは驚くべきことだし、逆に言えば、むしろそのくらい短期間にしか撮れない内容だったともいえます。役者が完璧な演技を集中して続けることができてはじめて可能になるのでしょう。

そういう意味でも、ちょっとした奇跡ともいえるような作品です。会話中心の映画が好きな人、特にフランス映画好きには特にお勧めします。

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