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2005年11月 2日 (水)

ゲント美術館名品展 (埼玉県立近代美術館)

 日曜は、佐野への買い物を兼ねて埼玉県立近代美術館へ。というか、妻が「買い物に行きたい!」と朝からおねだりモードに入っているので、どうせならついでにそこまで足を伸ばそうかと算段を立てる。
 blogには書かなかったが、この一つ前の企画展(スペインのポスター、椅子、ファッションのデザイン展)もなかなか面白く、大学で見た今回の企画展のポスターにも興味を惹かれていたので、同じ美術館から同じアウトレットへという同一コースをもう一度。
 前回は、佐野についたらもう7時になっていたのだが、施設内放送で「9時まで営業しております」というのを文字通り信じて安心してゆっくりしていたら、9時まで開いていたのはレストランだけ。ほかはみんな8時までで、「あそこも見ようと思っていたのに」みたいな気分で蛍の光に送り出され、今度はその雪辱戦。
 
 だけど出かける前にたっぷりリコーダーの練習もしていたから、宇都宮を出たのはやっぱり1時になっていて、前回と一緒。なんとか前回の教訓を生かすべく、高速をぶっちで走り、アクセルはふみっぱなし。なのに、高速を出た後、前回と同じところで道に迷ったりしながら、なんとか2時すぎには到着。近くのサティの駐車場に駐車し、美術館までは小走りだった。

 さて今回の企画展は、現在改装中のベルギー・ゲント美術館の引越し展。ゲントといえば、北ベルギー(いわゆるフランドル地方)の中心都市のひとつ。とはいっても人口たかだか22万の地方都市だから、日本で言うと東京の目黒区や豊島区ひとつぶん。近郊都市なら茅ヶ崎や厚木、宝塚だし、ゲントと同じような地方の中核都市なら佐世保、呉、上越、松本といったところ。こうやって人口を比較してみると、日本の街の大きさをあらためて感じるとともに、その人口規模の割には地方の独自文化の貧しさをひしひしと感じる。だがゲントはその程度の規模の地方都市。埼玉県立近代美術館の前回の企画展からしても、そんなに期待しちゃやばいだろうくらいに思っていたのだが、結果的には大当たりだった。
 
 作品的にはもともとフランスにも近い土地柄、ちょっとマイナーどころの印象派の作品などフランス系の作品が比較的多く集められていた。ゲントはベルギーでもオランダ語圏になるのだが、レンブラントらフェルメールといった方向はあまり向いていないのが少し驚きだった。しかし解説を読むと、オランダ語圏とは言っても上層階級はフランス語をしゃべっているし、フランスとの文化的なつながりは強いのだろう。後のマグリットなどのシュール・レアリスムだって、やはりパリを中心とした運動だったわけだし。
 そんな感じで、聞いたことのない人や、ちょっと知っているくらいの人の作品ばかりだったのだが、その中でもとてもよく選ばれており面白い作品が揃っていて、とても楽しめた。

 一番感激したのが、ホーネルというスコットランド画家の作品。「春の田園詩」という題名で、海の見える緑の岬に、二人の少女とヤギの群れが、白い花の満開に咲き誇る木陰にこちらを見ながらたたずんでいる、という絵柄だ。本の挿絵のような大変繊細で細かい書き込みで、かなり大きめのキャンバスが埋め尽くされており、絵の前に立つと流れ出す喜びの感情に圧倒される。解説を読むと、若い頃日本を訪れて後、日本的な題材の作品を集中して描いている時期がある、そんな絵描きさんだった。これを描いているころは、財政的な理由などもあって、わかりやすく売れる絵という方向に転換した後のようだが、それでもやはり日本的な雰囲気は僕らにも伝わってくるのだと思う。筆致から一番近い雰囲気を感じさせるのは藤田嗣治だが、もっと穏やかで優しい作品である。
 日本にはもう一度訪れており、スコットランドのアトリエには、その際に収集した植物を中心とした大変美しい庭を造っている。現在も彼自身の作品を収めた建物とともに美しく保存してあり、ホームページ などでその写真を見ることができる。また行ってみたい場所がひとつできた。

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