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2005年12月 4日 (日)

ショーン・ライアン at ロバハウス、ベトナム近代絵画展

 つくばに引き続きショーン・ライアンの演奏会へ。
 印象は前回とそう変わらないが、前回よりも守安功さんのフルートに、朴訥とした「いい感じ」のリズムを感じ、その分、雅子さんのハープが後から入ってくると、その良さを消してしまうようなところがあった。この朴訥とした感じの根源は、たぶん呼吸から来ているんだと思う。ひとりのソロでもショーンと合わせているときにもしばしばそうしたスウィートスポットを当ててくるときがあった。ただしこうしたプロでも、いつもそこにもっていけるわけではないところに、かえって音楽の人間味というものを感じる。
 今回はじめて聴いたカテリーナ古楽合奏団の松本さん、上野さんの演奏は今回の予想外の収穫だった。松本さんの吹いていた、リコーダーのような音のするホイッスルも美しかったし、上野さんの弾いたリュートの音色も、繊細で優しい音がしていた。古楽器は高音部の響きの多い騒々しいイメージがあっただけに、このリュートの優しい音色はかなり意外だった。バロック以前のヨーロッパでリュートが、上品さの象徴となっていたこともこれで納得だった。僕が古楽器に対してもっていた「騒々しい」という印象は、民衆の楽器からきていたのかもしれない。

 この日はその後、後藤家の人々と昼食。後藤君は大学時代の同級生で、特に4年生の時、一番仲の良かった友人。現在僕がアイリッシュにはまっているのは、彼の影響によるところが大きい。現在でも家族ぐるみでつきあっている。
 彼にこどもができてからは、なかなかゆっくり話をする機会が持てずにいることがちょっと残念だったのだが、そのふみこちゃんもだいぶ大きくなっていた。にこやかでとてもかわいい。

 もともとの予定では、その後上野の美術館をまわる予定にしていたのだが、思ったより立川と都区内の距離があったため、残念ながらタイムアップ。東京ステーションギャラリーでベトナム近代絵画展だけ見て帰ることにする。

 絵そのものにすごく感動するような作品はなかったが、中国文化の影響下にある漆絵はちょっと面白かった。赤い背景に金箔を埋め込んだような絵が多いのだが、赤に対する僕らの「情熱」とか「激しい」という印象とは違った感覚を持っているのではないかと感じさせられた。
 また金箔は光を強く反射するので、絵画の中で、目に直接飛び込んでくる太陽の光などを表現するように使われているのが印象的だった。僕が知らないだけかもしれないが、日本画ではあまりそんなふうに金箔を用いる伝統はないように思う。
 また同じ漆絵で、彫刻と組み合わさっているような作品もいくつかあり、いわゆる遠近法的な世界とはまた違った立体感を直接表現しているのが面白かった。
 政治的には、中国で毛沢東を題材にした絵が多いように、やはりホーチミンを題材にしたような絵が多く、社会主義と個人崇拝の関係についてふたたび考えさせられた。

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