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2006年3月 1日 (水)

東京都美術館(バーク・コレクション展) 江戸東京博物館

先週末は東京都美術館(バーク・コレクション展)・江戸東京博物館(江戸の学び?教育爆発の時代)をはしご。
バーク・コレクションはメアリー・バークという一女性が60年代から集め始めた日本美術のコレクション。
そんなときからはじめてこれだけのものを集めえたというのが驚き。円が安かったというのもあるかもしれないが、そもそもこんな名品が売りに出されていたんだなあ。館内のテレビで、バークさんがつくったギャラリーの中でどのようにコレクションが展示されているかを映し出していたが、日本的な畳の空間の中に実に自然に並べてあった。後で調べてみるとそれは

素晴らしい作品はほとんど最後のフロアに集まっていた。見ていて何とも幸せな気持ちにさせてくれたのが与謝蕪村の屏風画。雄大な風景のおおらかな描写に包みこまれるような感動。描いていた蕪村の感じていた幸せをみんなもらえるようなそんな作品。
与謝蕪村って俳句を詠む人じゃなかったっけ??? 勘違い?と思っていたらちゃんと同一人物だった。
高校生の頃に生半可にかじった『第二芸術論』に洗脳されて、俳句の世界そのものに疑念を覚えるようになっていただけに、これだけの絵を描く人が人生をかけたものなら信用すべきなんだろうと思った。

他によかったのは酒井包一の桜の花の屏風。さくらのくっきりとした鮮明な輪郭が印象的。それだけ見ると不気味でさえある緑の苔も桜の美しさをよくひきたてていた。もちろんもともとのお目当てだった若冲や蕭白も楽しかった。

江戸東京博物館はちょっと残念なでき。収集された歴史的資料の展示と、ミニチュアなどによるわかりやすい「江戸の町の再現」の組み合わせが中途半端で、どちらも生かされていない印象を受けた。面白くもなければ勉強にもならない。本物に触れたという感動もない。
企画展の「江戸の学び」も今ひとつ。教育というものにひたりきっている僕らにとって、江戸の人も教育を受けていた、ということはそれ自体では驚きをもたらさない。<それまで必要とされなかった教育がなぜこのときにそれだけ拡がっていったのか>そういう問いがでてきてはじめて興味深いものになるはず。
また「一斉授業がなかった」ということについても、公文式みたいなスタイルの教育は今でも日本に残っているわけなんだから、そういう連続性を指摘した上でどう違うのかを見ていくとか、
一斉授業になることでこどもたちの規律訓練のありようがどう変わったのか、とかそんなふうにきちんとテーマを決めて比較していかないと、何がなんだかよくわからなくて終わってしまう。こういう展示を企画するのも論文を書くのも変わらないんだなあと改めて感じた。

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